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『金がないなら頭を使え 頭がないなら手を動かせ: 永江一石のITマーケティング日記2013-2015 ビジネス編』永江一石

読書
20160425-01

書名が書かれている内容を表している本。

著者の永江一石氏はビジネス・コンサルティングを生業とされています。
詳しいプロフィールについては氏のブログをご覧ください。

これ書いてる人

表紙にもあるとおり、氏のブログ「More Access! More Fun! 永江一石のITマーケティング日記」の2013-2015年から厳選されたエントリーに加筆したものです。氏のブログを知ったのはほんの一週間くらい前で、ブログ運営の参考になりそうなサイトを見てるうちに氏のサイトにたどり着きました。わたしは、ウェブ制作の会社でデザイナーとして働いているので(それ以外の業務をしているのですが)、氏が問題提議するウェブを中心としたマーケティング関連のトピックとそれを解決するためのロジックに夢中になりました。あまりに面白いので、氏のメルマガも即、購読しました(324円/月!)。

以前にさとう珠緒さんの著書『超教養』のレビューでも触れましたが、わたしがこんな風にこのブログで書けたらと思っている理想の文章とは、「ものごとを独自の視点からわかりやすい言葉で時にユーモアを交えつつ語り、読んだ後に得した気持ちにさせてくれるもの」なのですが、氏の文章はまさにそれです。

ブログおよび本書の中で氏が一貫して言ってることは、

「顧客視点を持つこと」

と書名にもなってる

「金がないなら頭を使え 頭がないなら手を動かせ」

です。

「顧客視点」とは、「自分が書きたいものではなくて、訪問者が読みたいものを書く」ということ、「金がないなら頭を使え 頭がないなら手を動かせ」とは、平たくいうと、「できない理屈を四の五の言わずにとにかく手を動かしてやってみろ」です。

この二つの視点に立脚して、ビジネス、メディア、政治、そしてブログと多岐にわたって論じています。読んでいて感じるのは、真っ当さです。ここで云う真っ当さとはなんでも正面突破でぶつかっていこうとかいう硬直した姿勢ではなく、状況を冷静に分析し、時には抜け道や裏ワザを駆使するのも辞さないという、柔軟で常に本来の目的は何なのかという原点に立ち返って考え実行するという意味です。

「なぜ日本でハイブリッドの車ばかりが売れるのか」、「Web書店が勝ち残るポイント」、「地方の個人商店はどうやって生き延びたらいい?」等々、様々に問題を提議して、それに対する永江さんの解が説明されるのですが、勉強になります。どのような視点でトピックを立てるか、読者が読みたいエントリーとは何か?そして、自身の解答へと他者を説得するにはどうロジックを展開すればいいのか。そんなことを意識しながら、読むと楽しいです。わたしは数字が苦手なので、氏がデータから説得力ある論旨を展開するところとかは特に唸ってしまいます。永江氏は、数字が読める人です。わたしも数字が読めるようになりたい!

マーケティングや企画、ウェブ制作をされてる方はもちろんですが、「顧客視点を持つ」=「相手の立場になって考える」は、コミュニケーションの基本ですし、「金がないなら頭を使え 頭がないなら手を動かせ」は、サヴァイヴしていくため基本といえるので、万人にオススメできます。

エントリー自体は氏のブログでも読めますが、書籍の方がトピックごとに整理されていて関連をつかみやすいですし、その後の展開についても後記とういかたちで触れられていて興味深いです。この内容で378円は、お買い得です。なんかコワイくらい安い。若林あんじゅさんのイラストもユーモアたっぷりでいい感じなので、ブログで読んだよという方も購入してみてはいかがでしょうか?