『超教養』さとう珠緒

20160420-01

本を読むのが好きで、このブログでも自分のお気に入りの本を紹介しています。ブログを読んでくれた人が、「この本、読んでみたいな」と思えるようなエントリーを書きたいと思っているのですが、難しいです。

今日、ご紹介する『超教養』(さとう珠緒)は、わたしがこんな感じで本の紹介をできたらなと密かに参考にしているというか目標にしている書評のひとつです。Webダ・ヴィンチの連載「さとう珠緒編集長のバカブックガイド」をもとに書籍化したものですが、バカブックガイドなんてとんでもないとても知的なブックガイドになってます。

わたしにとっての理想の書評とは、

書籍の感想を評者独自の視点でわかりやすい言葉でユーモアを交えつつ語ってくれて、
読み終えた後、得した気分にさせてくれるもの

なのですが、さとう珠緒さんの書評はこの条件を満たしています!素晴らしい!

たとえば流行語にもなった『下流社会 新たな階層集団の出現』(三浦 展 光文社新書)の評はこんな感じです。
これ、下流の人が読んでモチベーションを上げる本じゃなくて、きっと「俺、下流じゃないな」「私、上流の人ほど嫌みじゃないし」みたいな感じで「へーっ」と思うための本だと思うんです。(中略)でも、他人の生き方や幸せの価値観なんて違って当然なんです。ほっといてくれ!ですよ。
ベストセラーをバッサリ斬ってくれてスカッとします。

出版されたのが2007年で取り上げられているのは連載当時のベストセラーの数々。
電車男』、『愛の流刑地』、『国家の品格』と、書き出すだけでも懐かしい気持ちになるタイトルが並んでいますが、さとう珠緒さんの書評は、今読んでも新鮮で輝いています。

本が好きで、いろいろな書評集を読むのも好きという人は読んでみてはいかがでしょうか。