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『ハートブレイクなんて、へっちゃら』片岡義男

20160415-01


もう一度見たいドラマがあります。
奥田瑛二扮する作家を主人公にした4編からなるオムニバス・ドラマ『ハートブレイクなんて、へっちゃら』です。80年代末頃、NHKで放送されました。今では、ストーリーもほとんど忘れてしまいましたが、ラスト・エピソードでタイトルにもなっている『ハートブレイクなんて、へっちゃら』だけは鮮明に覚えています。

男に捨てられやけっぱちになっているヒロインを洞口依子が好演していて、不機嫌そうな顔が最高にキュートでした。虚実入り混じる演出で、洞口依子がプールの脇で真っ赤なスポーツ・カーを乱暴に運転しているというラストが幻想的でした。

80年代の片岡義男といえば、毎月のように新刊が発売され、書店の角川文庫の売り場に行くと赤い背表紙の片岡作品がズラーっと並んでいるというたいへんな人気作家でした。

ヒネた高校生でパンク/ニュー・ウェーヴに夢中だった当時のわたしは、作品を読んだこともないくせに、片岡義男ってサーフィンやバイク、ハワイやカリフォルニアの空みたいなイメージの爽やかな小説書いてる人でしょ、なんて勝手に決めつけていてまったく興味がありませんでした。無知って恐ろしい。

そんな自意識過剰の厨二病が、「片岡義男っていいかも」と思ったのがドラマ『ハートブレイクなんて、へっちゃら』でした。90年代に入って、原作を読みましたが、今でも片岡作品のマイ・ベストだと思うくらいに気に入っています。