『バベットの晩餐会』

シネ・リーブル梅田で鑑賞。
 
以前にレンタルビデオで観たきりで、スクリーンで観るのは今回が初めて。
 
【あらすじ】
19 世紀後半、デンマークの小さな漁村で牧師だった父の遺志を継ぎ慎 ましく生きる初老の姉妹。ある日、彼女たちのもとにひとりのフランス人女 性がやってくる。パリ市の動乱(パリ・コミューン)で家族を失ったバベッ ト。彼女はメイドとして姉妹に仕えるが、ある日偶然買った宝くじで大金 を手にする。かつてパリのレストランの名シェフだったバベットは、賞金 を使って豪華なディナーを計画するが……。
 
『バベットの晩餐会』を観ると、「お前は何者か?」と問いかけられてる気持ちになる。バベットは宝くじで当たった賞金(1万フラン)を投じて贅を尽くしたフランス料理のディナーをつくり、村人をもてなす。なぜか?バベットはフランス料理のシェフだからだ。
 
「お前は何者か?」と問われたなら、バベットならこう答えるだろう「わたしはフランス料理のシェフです」。 
 
全ての料理を出し終えた後のバベットが、何かを成し遂げた人の充ちたりた表情を浮かべてるシーンが心に残るが(ずっと、キッチンでタバコをふかしてるシーンだと記憶してたが、今回観直したら、ワインを片手に佇んでいるシーンだった)、村人に渾身の料理をふるまうことで、自分がフランス料理のシェフであることを証明してみせたからこその表情だろう。
 
今回のリバイバルで、絵画のような映像に加えて、音楽や風や波の音といった音響も素晴らしい映画であることを再発見した。
 
DVDで観ることができる作品だが、バベットの芸術といっていい料理の数々は大きなスクリーンで堪能して欲しい(バベットの料理を食べる村人がまたいい表情をしてるんだ)。
 
この映画でウミガメのスープなる料理があることを知ったが、いまだに食べたことがない。残りの人生で食べるチャンスはあるのだろうか?