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『ストレイト・アウタ・コンプトン』は『その後の仁義なき戦い』に連なる青春映画の傑作だ。

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やっと『ストレイト・アウタ・コンプトン』観てきました@下高井戸シネマ。

掃き溜めのような環境から抜け出そうと地元の仲間とヒップホップ・バンド(N.W.A.)を組んで売れたはいいけど、甘い汁を吸おうとする大人やら恐いお兄さんも取り巻きにやってきて、挙句、内部分裂してそれぞれの道を歩むことになるというお話。

N.W.A.とは、1986年にカリフォルニア州コンプトンで結成されたヒップホップ・バンド。メンバーは、イージー・E、MCレン、DJイェラ、アイス・キューブ、ドクター・ドレー、アラビアン・プリンス。ギャングスタ・ラップを牽引したグループ。映画は、元ドラッグ・ディーラーでラッパーのイージー・E、ラッパーで主にリリック担当のアイス・キューブ、トラックメイカーのドクター・ドレーを中心に描かれています。 

実話をベースにしていて、出てくるのも実在の人物ばかりなので、ヒップホップ事情に明るかったらより楽しめるのは間違いないです。けれど、映画自体は青春の輝きと挫折という普遍的な題材を描いているので、ヒップホップ門外漢でも問題なく楽しめる映画になってます。 

『その後の仁義なき戦い』(工藤栄一監督)という映画があって、根津甚八、宇崎竜童、松崎しげるが主演しているんですが、これが青春映画の傑作で、観ながらずっと『その後の仁義なき戦い』みたいだなと思いながら映画を観ていました。 

『その後の仁義なき戦い』でヤクザの幹部にいいように食い物にされる根津甚八が、『ストレイト~』のイージー・Eと重なったり、ヤクザの構成員だった松崎しげるが歌手として成功していく一方で、むかし一緒につるんでいていた根津甚八がドラック漬けになって堕ちていく展開とかも、むかしの仲間のアイス・キューブやドクター・ドレーが成功を手にしていく一方で、イージー・Eが落ち目になていく展開と重なるものがありました。 

この二本を同時上映とかで観たら面白いだろうなぁ。

自分はギャングスタ・ラップ挫折組で、N.W.A.やドクター・ドレー、スヌープ・ドギー・ドッグといったGファンクの良さがわからず、ギャングスタ・ラップ以降、ヒップホップはあまり聴かずにきました。

それが4年前に出た『文化系のためのヒップホップ入門』(長谷川町蔵、大和田俊之)を読んだのをきっかけにギャングスタ・ラップを久々に聴いてみたら、気持よく聴けて、一時期、ヒップホップ中毒みたいになっていました(今も続いています)。 

先にヒップホップの知識がなくても楽しめる映画だと書きましたが、事前に『文化系のための~』のギャングスタ・ラップ周辺について書かれた箇所を読んでおくと、映画の背景をより深く楽しむことができておすすめです。